糖質制限体験記12.減量と禁煙は似ている

今回はじめて食事療法としての糖質制限をやってみて気づいたことがひとつあります。

それは「ずっと前にやった『禁煙』と感覚が似ている」ということです。

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ネットを見てみると、同じように感じている人がいることがわかりました。ここでは、私目線での減量と禁煙の比較について書いてみたいと思います。

お願い

私は医療従事者ではありませんので、この記事は一患者の個人的な体験談としてお読みいただければ幸いです。

どんなスモーカーだったか?

私は20代の初めからの30代後半までの約20年間、ずっとタバコを吸っていました。

最初のころは一箱180円の「マイルドセブン」、それが一箱240円の「フロンティア・ライト」(タール1mg/ニコチン0.1mg)に変わりましたが、だいたい一日に一箱のペースです。学生時代から、住んでいたアパートの壁がタバコで茶色に色が付き家具の跡がはっきり残るくらいのヘビースモーカーでした。

この頃は職場でもタバコを吸う人が当たり前にいたので遠慮なく吸うことができました。長距離列車や飛行機の中でも吸えた時代です。

自分がどのくらいタバコに依存しているかを診断するための「TDSニコチン依存度テスト」という簡単なテストがあります。当時を思い出してこれをやってみました…。

10点満点で5点以上がニコチン依存症と診断されるのですが、私の結果は「5点」でした。

特に当てはまったのは「本数を減らしたときにイライラしたり頭痛がする 」、「カゼをひいてのどが痛かったりセキが出ているのにタバコを吸う」そして「自分はタバコに依存しているなぁ と思う」でした。

自分でもニコチン依存症である自覚はあったのですが、独身のころは特に禁煙しようとは思っていなかったのです。

禁煙した方法

禁煙しようと思い立ったのは 2001年の6月でした。その理由は、結婚することになったためです(これだけです。しかしこの理由が重要なのです)。

禁煙日を約2週間後の6月20日にすると決め、計画を練りました。禁煙の方針としては、「少しずつやめるのではなく、きっぱりとやめる」「ニコチンパッチなどを使わず、ひたすら我慢する(当時は保険もきかず、お金がかかったので)」という方法です。

決意的にはカロリー制限による減量に似ています。

禁煙予定日までの2週間は、まったくこれまで通りにタバコを吸っていました(念入りに吸っていたかも)。

そして6月20日の夜。タバコ・ライター・灰皿などをすべて捨てて、禁煙に突入しました。行動としてはこれだけで、極めて単純です。

次の日から数日間は、ニコチンの離脱症状(禁断症状)に非常に苦しみました。じっとしているだけでも脂汗が出てきます。仕事も手に付きません(休める日を選んでいてよかった)。さすがに20年近いタバコ習慣は相当根深く体に染み付いていたようです。水を飲んだり外に歩きに行ったりしてごまかしていました(どうにもならなくなったら寝る)。

4〜6日経つと、不思議とあまりタバコのことが気にならなくなってきました。最初の数ヶ月のうちはときどき無性に吸いたくなることはありましたが、その時期をすぎると不思議なことにタバコの煙や匂いが嫌いになってきました。タバコに対する拒否反応が出るようになったのです。

禁煙

特に禁煙の方法を工夫したわけではないのでアドバイスできるようなこともなく申し訳ないのですが、私のやったことといえば「脂汗を流しながら4〜6日間水をがぶ飲みして我慢した(食事は普通通り)」くらいのものです。

このような方法は食事に置き換えてみれば「急激なカロリー制限」による減量に相当しそうです。ストレスもちょうど同じくらいなのではないかと思います。

禁煙できた理由

もし禁煙する理由が自分の健康や経済的なものだけであったら、禁煙を続けるのは無理だったのではないかと思います。

しかしその時の理由(禁煙の目標)は、「嫁さんやこれから会うであろう子供たちに煙は吸わせたくない」ということでしたので、やる気が途切れることはありませんでした。そしてそれから20年近くが経っていますが、なんとかその目標のとおり一本も吸わずに過ごせています。

今回の減量についても同じで、あまりにも早く働けなくなってしまって家族の生活が成り立たなくなっては大変だという理由が一番大きいのです。

続けるには何ごとも動機が重要だということですね‥。

減量はどうか

タバコ問題の中心がニコチン依存症であるのに対し、肥満は糖質依存症であるという考え方もあります(すべての肥満がそうなのではありません。なんらかの病気で意思に反して体重が増えてしまうこともありますね)。

以前の私は、毎食どんぶり飯をおかわりする・うどんやそばは必ず大盛りを注文する・デンプンや砂糖をたっぷり含んだお菓子類もまったく制限せずに食べる など、まさに依存症であったと思います。

ここで「1.人間ドックの結果が出た」で書いた理由により、なんとかしようと思い食事療法による減量を思い立ったわけですが、その方法を「糖質を摂らないこと」と決めるときに禁煙の経験が影響していたのではないかと思います。

実際に「これからはご飯・パン・麺類はもちろん、揚げ物の衣や砂糖で味付けしたものは食べないことにする」と決めて、それを実行し始めると、最初の2〜3日はそれらを食べたいという気持ちは結構強くありました。

しかしあえて肉や卵を今まで以上にたくさん食べることで、そういう感覚はなくなっていったのです。

食べたいのが

身体が低糖質栄養に慣れるまでが、ちょうどニコチンのない状態に慣れるのに相当しているように感じます。

しかし糖質制限に慣れるまでは、タバコのときのように「脂汗を流して我慢する」ということはありませんでした。似てはいても禁煙よりも糖質制限のほうがずっと楽です。

これが以前経験した「カロリー制限』による減量であったら、脂汗は出ないまでもいつも食べ物のことを考えてしまうという高ストレス状態が続いたことでしょう。これが減量の中断とリバウンドのいちばん大きな理由でした。

このようにあまりストレスを感じずに減量ができるという点で、糖質制限による減量は私に合っていると思いました(まだこの先リバウンドせずにいかに体重を安定化させるかという課題がありますが‥これは別記事で)。

禁煙ができた人なら糖質制限による減量は楽にできるのではないでしょうか。反対にカロリー制限で減量ができたほどの人なら(完全カットによる)禁煙もできると思いますよ。

(しかし禁煙すると体重が5〜6キロ増えるというのは私の場合は本当でした。この分も合わせて今回減量しようとしているのです)