糖質制限体験記10.1ヶ月目:医師の診察を受けてきた!

どのお医者さんにかかろうか

医院・病院選びです。

ここまで約1ヶ月間、糖質制限食による食事療法と軽めながらも運動療法を行なってきた結果、体重と血糖値は下がってきたようでしたので、この減量法が自分に合っていると思いました。これまでにやってみたことは以下の記事でご紹介しています。

そこで、これから診察を受ける医院・病院としては、この減量法に理解を示してもらえるお医者さんがいるところを選びたいと考えました。

お願い

私は医療従事者ではありませんので、この記事は一患者の個人的な体験談としてお読みいただければ幸いです。

最初に人間ドックを受けた大きな病院は紹介状がないと「非紹介患者加算料」5500円が余計にかかるところで、人間ドックをそこで受けていても外来で診てもらうときにはやはり加算料が必要とのことでした。

それはまあ良いのですが、ネットで診察科の中の「糖尿病・内分泌内科」のサイトを見てみると、日本糖尿病学会のガイドライン以外のことが書かれていないことから、この病院は「標準治療」以外を推奨しない立場なのであろうと思われました。

そこで近くの医院・病院について日本糖尿病学会のガイドライン以外に特徴的な記載のあるところがあるかどうかを調べてみると、まったくないことがわかりました。

たまに糖質制限食について言及しているところがあっても糖尿病とは関係ない診療科(整形外科など)であるということで、糖尿病を専門に扱う医院・病院の中に選べるものはないということになりました。

そこで方針を改め、すでに1ヶ月の糖質制限食による食事療法で血糖コントロールはかなりよくできているのではないかということから、糖尿病専門ではなく肝臓病専門の医院・病院を調べてみることにしました。

すると職場の近くの肝臓病専門医院の一つで、その医師自身が糖質制限(という用語は使っていなかったのですが)で減量したということをサイトの中の記事で紹介しているところがありました。ここに行ってみることにします!

肝臓病の専門医院に行った

11月の末に、電話で予約してから人間ドックの結果の表を持って医院に行きました。

順番が来て呼ばれ、まず先生にドックの結果表を診てもらうと、「だいぶ数字が悪いようなので、まず検査をしましょう」ということで、① 血液検査② 腹部超音波エコー検査③ 腹部X線CT検査を行なうことになりました。     

 腹部超音波エコー検査

これは人間ドックでやったことと同じですが、より時間をかけて診てもらったという感じです。

その結果指摘されたことは、

肝臓の50パーセントが脂肪(30パーセント以上で脂肪肝とされる)

肝臓だけでなく脾臓(ひぞう)も大きくなっている(肝臓の働きを補うため)

ということでした。1ヶ月食事療法をしても肝臓の状態はまだ悪いということですね…。

腹部X線CT検査

 十何年かぶりにX線CT検査を受けました(その時は特に異常なし)。

その結果は、エコーで見られた症状以外には特に異常はなく、ガンが疑われるようなものも確認されなかったということでした。

それはよかったのですが、今回のCT検査では初めて「造影剤によるアレルギー反応」というものを経験してしまいました。

大きなCT装置のベッドに横になって造影剤を腕から注射する前に「これまで薬でアレルギーが出たことはありませんか」と聞かれたので「一度もないです」と答えました。

そこで通常通り造影剤を注射することになりました。

CT装置が動き出し、お腹の上に来たタイミングで造影剤が注入されました。すると自分の腸の周りに温かい液体がいきわたる感じがあり、「これが造影剤かぁ」などと感心していたのですが、異変はそれから30秒ほどで起きました。

お腹全体がムズムズするのです。

「こんなものかなあ」と思っているうちに3分ほどで検査は終わりました。さっきよりもムズムズ感が増しているようです。看護師さん(技師さんか?)から「異常ありませんか?」と聞かれたので「なんだかお腹がかゆいようです」と答えました。

すると看護師さんは「えっかゆい?」と驚かれ、すぐに検査着をまくってお腹を確認されました。少し赤くなっていて、ジンマシンのようなぶつぶつがたくさんできていました。

すぐに椅子に座らされ、医者の先生がやってきて症状はジンマシンだけで呼吸には異常がないことを確認されると、アレルギー用の薬を注射することになりました。

あとはそのまま椅子に座って30分ほどようすをみるということです。パルスオキシメーターで血液中の酸素量も測定されました。

なんどか看護師さんに確認してもらいましたが30分後にまた医者の先生に見てもらい、ジンマシンはそれ以上ひどくはなっていないことが確認されましたが、もう一度アレルギー薬を注射しました。

さらに30分ようすを見ます。まだ赤みは残っていますがかゆみは消えたようです。

ジンマシンは出ましたが、アナフィラキシーショックのような重篤な状態にはならなかったのでそのまま診察ということになりました。このようなカードをもらいました。

また造影剤を使う必要があるようなときにはこのカードを病院に出してくださいとのことでした。今回はショックにならなかったので良かったのですが、薬剤アレルギーというものを初めて経験してやはり怖いものだなあということがわかりました

血液検査の結果が出た

アレルギーでようすを見るのに時間がかかったので、すでに血液検査の結果も出ていました。

これを1ヶ月前の人間ドックの数値(「糖質制限体験記1.人間ドックの結果が出た」)と比べて見ると‥。

1.血糖値関係は本当に良くなっているか

人間ドックの時と今回の検査結果を比べると、空腹時の血糖値は    216 → 102、HbA1c は 8.9 →7.1 といずれも下がっていることがわかりました(私の場合は下がるほど良いのです)。

血糖値については自分で測定していた値とほとんど同じで、この数字だけを見ればなんとか正常の範囲に入っています。

HbA1c も下がっていますが、まだ基準値よりはだいぶ高い状態です。この値は過去1〜2ヶ月の血糖の状態を示しており、赤血球が寿命によって入れ替わるまでは急激に下がることはないので、減少傾向にあるということで良しとします。

糖質制限による食事療法は効果があり私に合っているのではないかと思われますが、前の記事の血糖値テストでわかったように、まだご飯やパンなどを食べると食後血糖値が上がってしまう可能性があるので安心はできません。

もう少しようすをみる必要があります。

2.肝臓の数値はどうか

いずれも肝臓の障害によって血液中に出てきてしまった酵素の量を表す値です。

どの数値も順調に下がっています(ここでも、私の場合は下がるほど良いのです)。

ALP は正常な範囲に入っていますが、他の3つは下がったとはいえまだだいぶ正常値には遠いようです。

医者の先生によると、これらは血糖値に比べると正常に戻るまでには時間がかかるものだというお話でした。このまま薬を使わず、食事と運動療法を続けてようすをみましょうということになりました。

血糖に続いて肝臓機能についても、糖質制限による食事療法が効果を表していることが確認できました。

しかし、ご飯やパンなどの糖質を食べない代わりにダイズ製品や肉・卵・魚をたくさん食べるようにしていましたから、それによる悪い影響が出ていないかを確認する必要があります。

3.脂肪やコレステロールは?

まず、肉の脂や卵を多食したことで血液中の脂質に変化が出ているかどうかを見てみました。

人間ドックの時には「総コレステロール」「LDLコレステロール(いわゆる『悪玉』と言われていたもの)」が基準外だったのですが、今回の検査では正常な範囲まで下がっていました(ここでも、私の場合は下がるほど良いのです)。

さらに「中性脂肪」はもともと正常値でしたが今回はさらに下がっていました。

今回の結果では、肉の脂や卵を多食しても脂質関係に悪い影響は出ていなかったことを示しています。

感覚的には肉の脂や卵で血液中の脂質が増えるようなイメージがありますが、私の場合ではそうはならなかったということでひと安心です。

4.腎臓関係は要注意!

糖質制限食による減量で注意するポイントとして挙げられているのは、腎臓に異常がある場合には医師の指導のもとで行なうようにすることです。そこで腎臓関係の数値についても確認してみました。

数年前から人間ドックでは「腎臓(特に尿酸)にも気をつけてください」と言われていたのですが、これらの項目だけが大きく数値が上がっていることがわかりました(ここでも私の場合は下がるほど良いのですが‥)。

肉・卵・魚を食べる量が増えたことで血液中の窒素(タンパク質から出る)が増えたのかも知れませんが、ちょっと心配なところです。

クレアチニンはもともと正常の範囲を外れていたのですが、ちょっと悪くなっています。これは腎臓の調子が良ければどんどん尿に排出される物質なので、血液中の濃度が高いということは腎臓の調子が下がっていることを示します。

これまで人間ドックで何度も注意されていた尿酸はたまたま前回は正常な範囲だったのですが、今回はまた基準外となってしまいました。

「尿酸値を下げるには減量が必要」と言われており、今回はかなり減量がうまく行ったと思っていましたが尿酸値は上がっています。これも腎臓が尿酸を尿に排出する働きがにぶっていることを示していると思われました。

今後の方針を決めた

腎臓関係の数値が良くない方向に変化しているということは、今回受診して初めてわかったことでした。これが糖質制限食によるものなのかどうかはまだはっきりしませんが、今後注意していく必要があります。

お医者さんのお話では「肝臓関係の数値は良くなっているので、腎臓にも注意しながらまずはこのまま食事療法を続けてください」ということでした。まずは肝臓を回復させることを優先する、という方針です。

今回の受診で決まった今後の方針はこうです。

・腎臓に注意しながら糖質を制限した食事療法と運動療法を続ける

・薬による治療は必要ない

・最初は半月に一度、順調なようなら1ヶ月に一度の受診で経過を観察する

次の受診は2週間後ということになりました。