糖質制限体験記7.専門医をすぐに受診しなかった理由

人間ドックでは糖尿病と肝機能障害の疑いが出たことから、担当のお医者さんに『できるだけ早く専門医に見てもらいなさい』というアドバイスをいただきました。ですので専門医をすぐにでも受診したほうがよいと考えるのが普通です。

私も最初はそうしようと思っていろいろと医院・病院を調べてみました。

新しい症状である「糖尿病」の専門医に行くべきか、前から異常だった「肝臓」の専門医がいいのか、それとも総合病院に行けば両方診てもらえるのか‥。

お願い

私は医療従事者ではありませんので、この記事は一患者の個人的な体験談としてお読みいただければ幸いです。

調べてみると

人間ドックが終わってすぐ、次の3つのことについて猛烈な勢いで調べました。

  • 糖尿病とはなにか/その治療法は?
  • 非アルコール性脂肪性肝炎とはなにか/その治療法は?
  • 近所に通える専門医院・病院があるか

すると病院を見つける前に、糖尿病について気になる事情がわかってきたのでした。参考にしたのは以下の本やサイトです。

書籍;

日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン 2019」 ー 「食事療法」の項

夏井陸 著「炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限から見た生命の科学」光文社 2013

ロバート・H・ラスティング著 仲里京子 訳 「果糖中毒」ダイヤモンド社 2018

サイト;

ドクターシミズのひとりごと https://promea2014.com/blog/?p=3101

(参考にした本やサイトの感想は、のちの記事でまとめてみたいと思っています)

糖尿病治療についての気になる事情

気になる事情とは、「専門医を受診して糖尿病と診断された場合に受ける治療(特に食事療法)には必ずしも効果があるとは言い切れない場合がある」ということです。

具体的には、血糖値が高くなることが糖尿病の恐ろしさのもと(合併症の原因)なのですが、「糖尿病診療ガイドライン」に沿った専門医による食事療法はカロリー制限が主な方法であり炭水化物の割合が高すぎて(全カロリーの50〜60パーセント)、血糖値そのものを下げる効果があまりない場合があるということです。

たべもの

「場合がある」というのは、これらの治療(標準治療)で効果が出る人と出ない人があるということです。効果がある人の場合はもちろんこの方法で良いのですが、自分がどちらになるのかは時間を経ないとわからないことになります。

もしこの標準治療で効果が低かった場合は「血糖値を下げる薬」を使用することになり、これが一生続くことになる可能性があります。

炭水化物の摂取量を抑える食事療法(糖質制限食)に反対の意見を持つ専門医の場合は簡単に食事療法の内容を糖質制限に変えることもできず、大量の炭水化物を食べながら血糖値を下げる薬を飲み続けることになる、という信じられない状態におちいる危険があります。

糖質制限食はどうなのか

糖質制限食もすべての高血糖症状に効果があるわけではなく、インスリンを生産する細胞が弱っているだけか、脂肪細胞がインスリンに反応できなくなっているだけの場合に高い効果を発揮するようです。インスリン生産細胞が死んでしまっていることによる高血糖には効果がなく、この場合はインスリンそのものを注射する治療が必要になるとのことでした。

糖質制限2

結局は「その人の身体の状態」によって治療法を選ぶことが必要なのですが、いますぐ専門医を受診すると有無を言わせず「カロリー制限」による食事療法になってしまう可能性が高いと思われるのです。

私がすぐに専門医を受診しない理由は、「自分の高血糖の症状に糖質制限による食事療法が有効なのかどうかを自分でわかった上で治療法を決めたい」ということなのです。

前の記事「2.糖尿病と肝機能障害‥どちらも対策はまず減量だ」で書いたように、糖尿病であっても非アルコール性脂肪性肝炎であっても最も効果のある治療法はまず「減量」なので、1ヶ月程度は減量をしながら効果を確かめることができると考えました。

これは現在の私に差し迫った自覚症状がないから言えることなので、すべての人に勧められることではありません。目が見えにくいとか足の傷が治らないなどの重症の場合には、すぐに診察を受けるべきでしょう。

本来であれば、受診しようとしている患者にこのような治療法についての心配をさせないような体制を作っていただきたいと切に希望しますが…。

(表紙の写真は 中国・フフホトでの夕食)