糖質制限食による食事療法と軽い運動療法を始めてから1ヶ月ほどが過ぎました。体重や血液検査の結果については
・糖質制限体験記8.最初の1ヶ月…体重が減ってきた!
・糖質制限体験記10.1ヶ月目:医師の診断を受けました
でご紹介しましたが、このページでは「データ」ではなく「感覚的」に変わったところと変わらないところについて書いてみたいと思います。
私は医療従事者ではありませんので、この記事は一患者の個人的な体験談としてお読みいただければ幸いです。
1.変わったところ
「ここが減った!」 脂肪と筋肉
体重を測るまでもなく、脂肪と筋肉については「だんだん変わってきたなぁ』と感じるところがいくつかありました。
まず一番に変化したところといえば、「お腹が凹んできた」「ウエストが細くなってきた」ということです!
これまで履いていたズボン(腰回り100cm)にどんどんスキマができてきました。人間ドックのときに測った胴回りは106センチでしたが、1ヶ月をすぎる頃には92センチになっていました。ぴったりだったズボンにスキマができて、なんだか不格好に見えます。もう少し細くなったら新しいものを買う必要がありそうです。
あおむけに横になった時、以前であれば腹が出っ張っていたのですが、1ヶ月目にはほとんど平らになりました。しかし起き上がって普通に立つと、まだ腹の出っ張りははっきりわかります。
腹をつまんでみると、以前と同じくらいつまめる余裕があります。これは皮下脂肪で、この量はあまり変わっていないように思えます。すると減ったのは「内臓脂肪」であるということになりそうです。
確かに体重計で測った内臓脂肪量は減っていますし、皮下脂肪はあまり減っていませんでした。糖質制限食で最初に減ってくるのは内臓脂肪である、という参考書のとおりです。
マーク・ハイマン (著), 金森重樹 (監修)
アメリカの名医が教える内臓脂肪が落ちる究極の食事 高脂質・低糖質食で、みるみる腹が凹む SBクリエイティブ (2020)
それ以外にも、「首の後ろ側の脂肪」「あごの下の脂肪」が減ったと感じます。
しかし体重が減ったとはいえ、良いことばかりではないようです。それは筋肉についてです。
自分ではっきり分かる変化としては、「腕の力こぶとお尻の筋肉(大殿筋)が小さくなった」ことがあります。
タンパク質が足りないというよりは、やはり筋トレが軽すぎるのかもしれません。ここをこれからどう改善していくのかを考えていこうと思います。
メガネが一時的に合わなくなった
次に感じた大きな変化は、クルマを運転しているときに標識や看板が見えにくくなったということでした。
これは糖質制限を始めてから2〜3週間目くらいに起きたことです。私は普段は近視のメガネをかけていますが、度の強い「運転用」とちょっと弱い「デスク作業用」、そして一番弱い「読書用」の3つを使い分けています。そのうちの「デスク作業用」と「読書用」で気づいたことは、近視が弱くなっている(遠視の方向に変化している)ことでした。そこで運転するときは、昔使っていたちょっと度の弱いメガネに変えることでよく見えるようになったのでした。
「目に異常が?」とあせったのですが、調べてみるとこの症状にぴったりの情報が見つかりました。
今井ら(1993)「糖尿病患者における血糖調整時の屈折度変化について」
日本視能訓練士協会誌 第21巻
です。これを読むと、「高血糖になると近視化が進み、血糖値が下がってくると逆に遠視化が進む」ことがあり、それは「高血糖になっているときに血液中のブドウ糖が変化してできたソルビトールが眼の水晶体にたまる。治療によって血糖値が急に下がっても水晶体のソルビトールによる変化はすぐには戻らず、屈折率に異常が生じて遠視化する」ということのようでした。
私の場合は近視が進んだという感覚はなかったのですが、血糖値が下がったときに遠視化が強く出たということのようです。1ヶ月経たないうちにこのような症状は自然に消えて、もともと使っていたメガネが使えるようになりました。
イビキをかかなくなった
体重が80キロ以上あった十数年の間は、私は非常に大きなイビキをかいていたようです(家族・知人の談)。同じ部屋ではもちろん、1階と2階の間でもうるさいと言われるほどのイビキでした。
それが減量を始めて体重が70キロ台になった頃から、「イビキが聞こえなくなった」と言われるようになりました。本当かなと思い、iPhone に睡眠効率を測るアプリ「熟睡アラーム」があったので調べてみました。
一晩でトータル3分間のイビキでした。これまで一晩に何度も「イビキがうるさい」と言われていたことを考えると、かなりの改善です。これにともなって睡眠効率も上がってよく眠れているような気がします。
2.変わらないところ
体調に変化なし
まず第一に、減量中とはいえ驚くほどに体調には変化がありません。特に良くなってもいないし、悪くなってもいないのです。まだ身体が軽いと感じるほど体重が減っていないのでしょう。
しかし先に書いたとおり睡眠効率も上がっているとすれば、全体としては良い方向に向かっているように感じます。
「食べたくて仕方ない!」ということはない
以前の記事「糖質制限体験記3.糖質制限を試してみよう」で書いたように、減量を続けられるかどうかを左右するのは食欲をコントロールできるかどうかにかかっています(私の場合です)。
なので私にとっては「食欲にはあまり変化がない」ということがこの糖質制限食による減量法の最大の利点です。
どのくらい空腹感があるものなのか、というのは実際にやってみないとわからないものですので、最初の1ヶ月間で「これは続けられる」と実感できる方法であることはとても重要なことです。
アレルギーや耳鳴りは変わらない
さて血液中のブドウ糖の濃度が高い高血糖の状態というのはさまざまな害を及ぼすものとされています。
私には血糖や血圧、肝機能に関係する自覚症状はなかったのですが、10年ほど前から次のような別の症状がありました(特に治療はしていませんが‥)。
・シラカバ花粉症になったことで始まったアレルギー性鼻炎
・親指の背側だけに見られるアトピー性皮膚炎のような荒れ
・両耳で「キーン」と高音で聞こえる耳鳴り
この中で「花粉症」については、糖質制限で良くなったという体験談が紹介されています。
ドクター江部の糖尿病徒然日記「花粉症と糖質制限食と漢方」
血糖値がほぼ正常な値まで下がったことで、これらの私の持っていた身体の症状のどれかが良くなるかなと期待したのですが、これまでのところまったく変化はありません(症状はそのままです)。原因が血糖とはまったく違うものなので無理もなく、もう少し長い目で見ていくことにします。
これからも体調には注意して、減量の良い影響や悪い影響に気づいたら記事にしていきたいと思います。