糖質制限体験記3.糖質制限を試してみよう

本格的に減量を始めようと思い立ちましたが、どういう方法でやればよいかについてはちょっと考えなければなりませんでした。

カロリー制限が良いのか糖質制限が良いのかについての比較についてはすでに多くのサイトで話題にされているようですので、ここでは私の事情に合わせてどうやって方法を選んだかについて書こうと思います。

お願い

私は医療従事者ではありませんので、この記事は一患者の個人的な体験談としてお読みいただければ幸いです。

レーニンジャーの新生化学

1995年ころのことですが、ふとダイエットをやろうと思いたち学生時代に買った教科書「レーニンジャーの新生化学」を読み直してみました。その頃はネットもなく、参考にできるものは本しかなかったのです。

この本は当時(1980年代)の他の生化学の教科書に比べて内容が面白くわかりやすかったので持っていたのです。この本には「ヒトの栄養」という項目があり、そこには 

「急激に減量するには、仕事の効率が下がるくらいまで毎日の食事の量を厳しく制限しなければならない(p. 839)」

とというような意味のことが書いてあったのです。

その理屈にも一応納得でき他に方法も知らなかったので、とにかく毎日の食事のカロリーを1600キロカロリーに制限して(ちょっと)運動量を増やしてみました。

始めて見ると空腹がつらい! 

空腹にばかり意識が行ってしまって「仕事の効率が悪くなる」ようになってしまいました。それでもがんばって続けていると不思議と空腹が快感になる時もあるような気もしましたがほとんど気のせいの範囲です。

結果は‥たしかに減量には効果があり3ヶ月ほどで80キロほどあった体重が70キロくらいまで減ったと記憶しています。しかしその後の半年くらいのうちに、ついに続けられなくなってリバウンドを起こしまた80キロ台に戻ってしまいました。

なぜそうなったのかというと、やはり毎日の空腹感のストレスが半端でないということが原因でした。「空腹感のストレス」というのは想像していた以上に厳しく、私にとっては禁煙のほうが楽だったと思えました(糖質制限体験記12.減量と禁煙は似ている)。

それから20年近く、減量を本格的にやってみようとは思わなくなってしまいました。

今回は糖尿病と肝機能の異常をなんとかしたいということで減量を始めようと思っているので、またあの空腹ストレスを味わわなければならないのかと思っていたのです。しかしネットを調べてくうちに参考になる情報を見つけました。

Wikipedia の記事「痩身」

何の気なしにたどり着いた Wikipedia で、「減量」「ダイエット」といった言葉で検索しているうちに見つけたのが「痩身」という項目でした。

この記事は長いのですがとても面白かったので、一気に読んでしまいました。どなたが書かれたのかはわかりませんが、随所に著者の個性が現れた文章で書かれています。多くの研究について紹介されているのですが、その中でも印象に残った内容を2つ挙げてみます。

「減量のためには『食事を減らして運動する』必要があると言われるが、実際にはこれにはなんの根拠もない。

「炭水化物を減らすことは血糖値を大きく改善させ、治療薬の使用量を大幅に減らすだけでなくその必要もなくなることがある。この方法には2型糖尿病を改善する効果についての証拠がある。」

(意味はできるだけそのままで表現を変えてあります)

これならできるのではないか、というのが最初の印象でした。

血糖値を改善するという目的にもぴったり合います。米・パン・麺類・砂糖・果物が食べられないのはなかなかつらいかもしれませんが、炭水化物の量を減らすのが重要であってカロリー制限は必要ないというのであれば空腹ストレスが軽くて済むはずです。

なるほどこれがあの「糖質制限」なのだな、ということがわかりました(それまではほとんど言葉しか知りませんでした)。

なぜ炭水化物を食べないことが減量に効果があるのか、その理由も納得できるものでした。その反面、ネットで見ると害があるという意見もかなりあることもわかりました。

糖質制限には賛否両論いろいろあるようですが、まあ1ヶ月ほど試してみるだけならそれほど害もないだろうという感じです。

糖質制限の絵1

しばらく続けたら、良くない影響などが出ていないかどうかをチェックしていきたいと思います。カロリー制限では空腹に耐えきれず、挫折してしまった経験がありますからね。

ここでとりあえずの方針が決まりました。

糖尿病の症状(高血糖)と肝機能異常の症状(高い「AST」「ALT」「γ-GTP」値)を改善するために、食事療法による減量を行なう(炭水化物の制限を試す)。

運動については、有酸素運動を1日30分とし、これに筋トレを適宜混ぜる。

いまの体重が84キロであるので、75キロくらいまで減ったところ(10%減少)で医師の診察を受ける。

あとはどういうものを食べて行けばよいのかを調べて実行します!

(この記事の表紙の写真:ベルギー・ペリュベルでの夕食)